
若者を気軽に知るメディア「ワカシル」では若者の様子が分かる記事を定期的に公開しています。
今回は、「Z世代をはじめとする若者はなぜタクシーを選ぶのか?」というテーマです。
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はじめに
みなさんはタクシーをよく利用しますか?
電車やバスなどの交通機関と比較して、料金が高いイメージの強いタクシーですが、Z世代をはじめとする若者はどのくらい利用しているのでしょうか?
今回は、若者のタクシー利用の実態から、タクシーを選ぶ理由、タクシー不足の問題により必要になるタクシーの代替案について考察していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
若者のタクシー利用の実態
Z世代、20代の若者たちはタクシーをどれくらいの頻度で利用するのでしょうか?
タクシー利用者は、金銭的余裕のある年代が多くの割合を占めると思いがちです。
しかし、データ「性別・年齢別に見たタクシー利用状況※図1」からも分かるように、タクシーを1年に1回以上利用する20代女性と20代男性の割合は、全体と比較しても低くはありません。20代女性に関しては、月1回以上の利用をする人の割合が約15%と、他の年代の女性よりも多くなっています。

図1:性別・年齢別に見たタクシー利用状況の内訳(n=1000)
出典:中小機構 J-Net21 (2023). 市場調査データ タクシー(2023年版). J-Net21.
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-taxi2.html
また、データ「性別・年齢別の今後の利用意向※図2」では、タクシーの今後の利用意向について「ぜひ利用したい」「どちらかと言えば利用したい」という20代女性の積極的な利用の回答の割合が、30代女性に続いて高いです。

図2:性別・年齢別の今後の利用意向(n=1000)
出典:中小機構 J-Net21 (2023). 市場調査データ タクシー(2023年版). J-Net21.
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-taxi2.html
若者がタクシーを選ぶ理由とは?
若者がタクシーを交通手段として選ぶ理由はなんでしょうか?
まず、タクシーは、複数人で利用することによって、電車やバスといった他の交通機関よりもコストパフォーマンスが良くなる場合があります。
部活動やサークル、歓迎会など、若者が集まるイベントは数多くあります。夜遅く終わることも多いこれらのイベントから帰宅するための交通手段として、タクシーは何よりも安全性が高いのではないのでしょうか。
また、料金を人数分で割ることで、「電車代とあまり変わらない」といったこともあります。
コスパ重視の若者にとって、高すぎない料金で安全に快適に利用できるタクシーは魅力的なのではないでしょうか。
次に、タクシー配車アプリのクーポンの存在が若者のタクシー利用を活性化させていると考えられます。
最近1年以内にタクシー配車アプリを使って配車サービスを利用したことのある人のうち、20代~40代が約74%を占めています(株式会社ICT総研, 2024)。
多様なタクシー配車アプリがありますが、どのアプリにもクーポンを利用できる機能があります。新規登録をすると〇〇円、友達に紹介すると〇〇円など、タクシーを利用する際に使えるクーポンを幾つものタイミングで得ることがでキるのです。
現在、若者の多くがデジタルネイティブです。そのため、クーポンを駆使して、いかに安くタクシーを利用するのか考え、アプリを操作するのは、若者にとってお手のものなのではないでしょうか。
出典:株式会社ICT総研 (2024). 2024年 タクシー配車アプリ・ライドシェア利用動向調査. PR TIMES. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000019182.html
タクシー不足を補う手段とは?
ここまで、タクシーが若者に選ばれる理由を考察してきましたが、需要があっても供給がそれに対応できないという状態に現在あります。
高齢化によるタクシー運転手不足が問題となっているのです。
このような中、若者はタクシーに代わってどのような交通手段に関心を持っているのでしょうか?
まず、ひとつ目が「ライドシェア」です。
「【2024年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査※図3」では、普通自動車免許を持つZ世代を対象に、前提知識を与えたうえでの「ライドシェア」の利用に興味があるのかという質問に対して「非常に興味がある」が9.9%、「やや興味がある」が33.2%との回答で、あわせて4割以上が興味を示している結果となりました。
そして、ライドシェアの利用に興味がある理由として、「タクシー不足をカバーし、配車を待つ時間が短くなると思うから」が51.5%とトップとして挙げられています(株式会社KINTO , 2024)。

図3:【2024年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査(n=621)
出典:株式会社KINTO (2024). 「クルマ離れ」の自覚を持つ都内Z世代は年々減少傾向、「クルマのサブスク」を認知する8割超が「利用を検討したい」. PR TIMES.
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000054790.html
また、運転手を若者自身とした場合、自家用車を持つ余裕はないけれど、車を利用したい時には、レンタカー、カーシェアなどが選択肢としてあがってきます。
最近では、これらに加えて「クルマのサブスク」がZ世代に注目されています。
「【2025年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査※図4」によると、「クルマのサブスク」サービスをどの程度検討したいと思うかという質問に対しての回答として、都内在住は「検討したい」と「やや検討したい」を合わせて92.0%、地方在住は69.4%となっています。

図4:【2025年版】Z世代のクルマに対する意識比較調査(東京n=125)(地方n=72)
出典:株式会社KINTO (2025). 【2025年版】若者のクルマ離れが急拡大? 都内Z世代の72.8%が「自覚あり」、 2024年比で21.5ポイントの大幅上昇. PR TIMES.
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000054790.html
自家用車はまだ持つことができないけれど、タクシーは頻繁に利用している。レンタカーやカーシェアは自家用車と比べると愛着が湧かない。
そういった若者は多いのではないでしょうか。
クルマのサブスクは、諸費用込みの月額料金を払うだけで、中長期的に1つの車に乗ることができます。自家用車やタクシー、レンタカー、カーシェアなどのこれまでの車の在り方と比較すると、貯金が少なくても愛着のある車に一定期間乗ることができるクルマのサブスクは、若者に響きやすいと考えられます。
まとめ
他の交通手段と比べてコストのかかるタクシーですが、意外にもZ世代をはじめとする若者の多くがタクシーを利用しています。
その理由として、利用する人数や場面を工夫してコスパ良く利用していることや、タクシー配車アプリのクーポンの存在があると考えられます。
また、今後のタクシーが不足する状況の中で「ライドシェア」や「クルマのサブスク」がZ世代に注目されていることがわかりました!
おわりに
今回は「Z世代をはじめとする若者はなぜタクシーを選ぶのか?」というテーマでご紹介しました!
ワカシルでは現役学生の視点も入れながら、大学生活をとりまく環境や若者の様子について、今後も発信していきます。
次回もお楽しみに!
ライター
めい
監修
こほりまほ